秘密の給湯室から始まった社内恋愛
今週のお題「ほろ苦い思い出」
昔。
好きだった人のお話です。
当時勤めていた会社は、とにかく社屋が古かった。
築50年くらい?
あちこち改装して社員が使うスペースは綺麗になってはいたが、とんでもなく古い使われない階段や給湯室が残っていた。
そして誰も寄り付かないこの古い給湯室が、わたしの秘密の休憩場所だった。
お昼休みの終わる15分前。
この隠れ家でコーヒーを飲みながらぼんやりするのがわたしの日課で、
毎日欠かさず同じ時間。
ひとりの空間を確保していた。
そんなある日。
その場所に先客があったのだ。
同じ課のCだ。
「あれっ?ここで休憩してるんですか?」
驚き顔のC。
少しお話して、ふたりで課に戻ったこの日から、わたしの休憩場所に毎日Cが待ち伏せするようになった。
いつもちょっとしたお菓子を用意してコーヒーを入れて待っていてくれた。
「明日は外出なのでここには来られないと思います」
約束をした訳ではなかったけれど、それはもう待ち合わせだった。
古い給湯室で、彼の悩みを聞いてあげる日々。
「ずっと辛かったけれど、まーこ2さんのおかげで気持ちが楽になった。
また笑えるようになりました。
本当に感謝しています。」
真面目な顔でわたしを恩人だと言った。
ふたりが付き合い出すのに時間は掛からなかった。
会う時はいつも楽しくて笑い転げていた。
あまりにラブラブで歩いていたからか、怖い不良に絡まれた事がある。
咄嗟にわたしはCを置いてすっ飛んで逃げた←え?
恐る恐る出ていくと、Cがわたしを見てお腹を抱えて笑っていた。
わたしの逃げ足の速さに、不良たちもびっくりして、
「兄ちゃん、ごめんな?元気出しや」と、慰めてくれたらしい。
わたしもおかしくなってふたりでいつまでも笑っていた。
この時の逃げ足が原因ではないと思うのだけど、長くは付き合えなかった。
真っ当そうで勝手な理由で別れを切り出しては、またすぐ戻ろうとするC。
何度か行ったり来たりを繰り返し、もう行き止まりだった恋。
最後に会った時も好きだったけれど、プライドが邪魔をして意地を張ったら、彼は何かを誤解したようだった。
本当を言うと、あの時はまたすぐに会えるだろうと思っていた。
わたしは会社を辞めてしまっていたけれど、その日もお互いへの愛が溢れていたし(爆笑)!
その後も何度か連絡を取り合った。
実際、もうそれっきりになるような感じではなかった。
結果。
あれからわたし達は一度も会っていない。
いつの間にかお互いの連絡先も近況もわからなくなった。
もう会うこともないのだろう。
今週のお題がほろ苦い思い出だったから、久しぶりに思い出してしまいました🤭
今はずっとひまと一緒ニャ🩷